P2P電力取引プラットフォームの社会実装に向けた実証事業を開始
2020年07月30日~ 東京都実証事業に採択 ~
株式会社エナリス
株式会社エナリス(代表取締役社長:都築実宏/以下、エナリス)と株式会社マルイファシリティーズ、戸田建設株式会社の共同プロジェクトが、東京都が実施する「令和2年度 次世代電力システムにおけるP2P電力取引プラットフォーム構築実証事業」に採択されました。今回の実証では、ブロックチェーンプラットフォームをベースに、「電力と環境価値のP2P取引プラットフォーム」の構築に取り組みます。
エナリスは、より豊かな社会の実現につながる新しいエネルギーシステムの構築を目指し、2017年からブロックチェーンを使った実証事業に取り組んできました。
2019年には、電力のトラッキングを可能にし、セキュアかつオープンに電力取引を行うブロックチェーンプラットフォームを開発。同じく2019年から開発した分散電源エネルギーマネジメントシステム(DERMS)と統合し、分散電源の制御と余剰電力の取引ができる仕組みの構築に取り組んでいます。
これまでも、複数のP2P電力取引に関する実証事業が国内で実施されてきましたが、「小売電気事業者」の存在が想定されておらず、現行制度においては実現が難しいものでした。今回の実証では、P2P電力取引による小売電気事業者側のメリットを検証し、現在の電気事業法下で実現可能な電力と環境価値のP2P取引システムを構築します。
本実証は、RE100※に加盟する丸井グループの小売電気事業者であるマルイファシリティーズ、同じくRE100に加盟する戸田建設と共同で実施します。
電源トラッキングやP2P取引の契約・記録等を行うP2P電力取引プラットフォームにはエナリスブロックチェーンプラットフォームを活用。電力と環境価値は、都内の太陽光発電プロシューマーから調達し、プラットフォームを介して販売します。さらに、デジタル通貨プラットフォームと連携し、環境価値の対価としてデジタル通貨を利用する取引スキームについても検証を行います。
エナリスは、本実証事業を通して、「スマート東京」の実現に貢献するとともに、エネルギー分野にイノベーションを起こし、豊かな未来社会づくりに貢献する新しい電力システムの実現を目指します。
※ 企業が事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ。本リリース内では、RE100加盟企業を「RE100企業」と記載
実証スキーム図
- P2P電力取引プラットフォームを利用し、都内の太陽光発電プロシューマーから電力と環境価値を調達し、都内のRE100企業へ販売
- 環境価値の対価としてデジタル通貨を利用
実証のポイント
- 現行制度に基づいたP2P電力取引の検証
小売電気事業に関する豊富なノウハウを持つ事業者として、電気事業法に準拠した形態でP2P取引を行い、業務上・制度上の課題を検証します。 - 非FIT電源とRE100企業が実際に取引に参加
手軽に集められるFIT電源を利用せず、卒FITプロシューマー等の非FIT電源から電気を調達し、真に再エネ価値を求めるRE100企業へ供給するスキームで実証を行います。 - デジタル通貨による対価の支払い検証
デジタル通貨プラットフォームと連携し、「卒FIT電力に含まれる環境価値」および「太陽光発電自家消費分の環境価値」の対価としてデジタル通貨を利用します。参加者は、デジタル通貨をポイントに変換し利用することが可能です。
東京都「令和2年度 次世代電力システムにおけるP2P電力取引プラットフォーム構築実証事業」について
東京都では、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出す「スマート東京」の実現に向け、先端技術等を活用した分野横断的なサービスの都市実装を目指しています。
本実証事業は、この取組の一環として、次世代電力システムとして注目されるP2P電力取引プラットフォームの社会実装に向けた事業支援と課題等の整理を行う目的で実施されるものです。事業プロモーターは、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社です。
詳しくは、事業プロモーター(EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社)の特設サイトをご参照ください。 特設サイトURL: https://tmgp2p.eyadvisory.co.jp/