NEWSニュース
ニュースリリース

VPP実証が最終年度へ突入 2021年度需給調整市場参入へ向けた準備を加速化

2020年06月01日

~ アグリゲーションビジネスが実証から実装へ ~

株式会社エナリス
KDDI株式会社

エナリスとKDDIは2020年5月29日、経済産業省が実施する「令和2年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(注1)構築実証事業費補助金/VPPアグリゲーター事業」(補助事業者:一般財団法人環境共創イニシアチブ)(以下 本実証事業)に採択されました。

2020年度は、エナリスとKDDIが2016年度から共同で実施してきた経済産業省「バーチャルパワープラント構築実証事業」の最終年度となり、2021年4月の需給調整市場(注2)参入へ向けて準備を加速していきます。

2020年度は、本実証事業の共通実証として、需給調整市場における三次調整力(注3)制御の成功率向上や上げ下げディマンドリスポンス(DR)(注4)の小売電気事業者に及ぼす経済効果の検証を行います。また、独自実証として、家庭用蓄電システムおよび自家発電機による周波数調整制御や、アグリゲート(集約)した再生可能エネルギーと需要家側リソースを連携制御する需給一体調整モデル(注5)の検証など、アグリゲーションビジネスの領域拡大に取り組みます。

本実証事業には昨年度に引き続き、中国電力株式会社、東邦ガス株式会社、京セラ株式会社、株式会社グリムスソーラー、株式会社ナンワエナジー、株式会社スマートテック、三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社が参加するとともに、新たに、西部ガス株式会社、JXTGエネルギー株式会社、MULユーティリティーイノベーション株式会社、株式会社Sassor、JREオペレーションズ株式会社、株式会社レノバ、会津電力株式会社が加わり、16社体制で進めていきます。

スキーム図

エナリスは、2021年4月の需給調整市場開設へ向けて、2020年4月に需給調整市場の取引会員登録を完了しました。また、実証事業において、多様な需要家側リソースを統合制御するリソースアグリゲーションシステムのSaaS提供をすでに開始していますが、その他のVPPサービスについては2020年夏から、法人のお客さま、リソースアグリゲーター、小売事業者向けにそれぞれのニーズに合わせて提案できるよう準備を進めていきます。

エナリス、KDDIは、引き続き分散型エネルギーを活用したアグリゲーションビジネスを実現し、将来のエネルギー社会の高度化に貢献していきます。

詳細はこちらをご参照ください。

  • 注1)太陽光発電、蓄電池、電気自動車、省エネなど小規模な設備にデジタル技術を用いて統合制御することで火力発電所のような大型発電所と同様の機能を提供する技術。
  • 注2)送配電事業者が需要と供給を一致させる際に使う供給力(=調整力)を取引する市場。調整力は周波数を維持し、安定供給を果たす重要な役割を担う。
  • 注3)経済的に需給調整を行う調整力のこと。高速枠の三次調整力①(応動時間15分以内、継続時間3時間)と、低速枠の三次調整力②(応動時間45分以内、継続時間3時間)がある。
  • 注4)お客さま側の電力消費パターンを変化させることで、電気の需給バランスを調整すること。小規模発電所の余剰な発電量を需要家に消費してもらったり、または蓄電池への充電に充ててもらったりすることを「上げDR」、需要のピーク時に、需要家に電力使用を抑えてもらうことを「下げDR」と呼ぶ。
  • 注5)再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取)制度からの自立モデルの一つで、自家消費を中心とした需要家側の再生エネルギー活用モデルのこと。