分散型エネルギー社会を支えるオープンプラットフォームの構築に着手
2019年06月17日~ 米国シリコンバレー企業とともに ~
株式会社エナリス
株式会社エナリス(代表取締役社長:小林昌宏、以下、エナリス)はこのたび、太陽光発電や蓄電池、自家発電機などの分散電源(DER)を統合制御するDER Management System (DERMS)を核としたオープンプラットフォームの構築に着手しました。DERMSの開発は、米国シリコンバレーに本社を置く、AutoGrid Systems, Inc.(以下、オートグリッド社)と連携して行います。
2019年12月までにファーストモデルを開発した上で、VPP実証事業で機能を検証・拡充し、2020年の新サービス提供につなげる計画です。
エナリスは今後、ESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業や組織に、オープンプラットフォームへの参画を呼びかけていきます。
分散電源を最適制御・シェアリングして有効活用
これまで、太陽光発電や蓄電池、自家発電機などの分散電源は、自家消費の目的だけでは必ずしも100%使い切れない状況が生まれていました。そうした“分散電源の余力”を社会全体でシェアし、有効に活用していくシステムが「DERMS」です。
DERMSは、分散電源を24時間365日監視し、電力需要に合わせてきめ細かく最適な制御を行い、物理的にも経済的にも無理なく、電気の価値のシェアリングを実現します。企業グループ単位でのシェアリング、サプライチェーン単位でのシェアリング、地域単位でのシェアリングなどをイメージしています。
また、このプラットフォームの機能を、分散電源の制御を希望する事業者にSaaSで提供し、エナリスは事業者のオペレーションをサポートします。
DERMSのイメージ図
米国オートグリッド社と連携
連携してシステム開発を行うオートグリッド社は、人工知能(AI)とビッグデータ技術を駆使して多種多様な分散電源の電力需要を予測・分析し、最適制御を行うことに強みを持ち、これまでに世界有数のグローバルエネルギー企業とエネルギープラットフォームの開発を行ってきた実績を誇っています。すでに世界で50社以上のエネルギー企業がそのシステムを導入しており、5,000MW以上の分散電源を管理しています。一方、オートグリッド社が日本において商用化に向けたシステムを開発するのは初めてのことであり、「日本の電力業界は大きな転換期を迎えており、より多くのフレキシブルなエネルギーの供給が求められている。こうした大事な局面で、多様なニーズに応えるために成長し続けるプラットフォームの開発に、エナリスと共に携わることができ、非常にエキサイトしている」と同社CEOのAmit Narayan氏は話しています。
社外の知見を活かして進化させるオープンイノベーション型プロジェクト
DERMSは、まずオートグリッド社と連携して開発しますが、オープンプラットフォームは産・学・官の幅広い知見を取り入れ、拡大させていきます。ハードウェアメーカ、ITベンダー、エンジニアリング企業、ユースケース(フィールド)提供企業、送配電事業者、通信事業者、小売電気事業者、研究機関、国や地方の政策企画部門などの方々の参画を期待しています。
エナリスは、DERMSを基盤に分散型エネルギー社会の実現に貢献していきます。