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「バーチャルパワープラント構築実証事業/ 一般送配電事業者が活用するネガワット取引の技術実証」に採択

2016年07月01日

~ 蓄電池を活用し、確度の高いネガワット取引の実現 ~

エネルギー情報業を手がける株式会社エナリス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:村上憲郎、以下、エナリス)は、経済産業省の「バーチャルパワープラント※1 構築実証事業」の一つである「一般送配電事業者が活用するネガワット取引※2 の技術実証」について、本実証事業の補助事業者である一般財団法人エネルギー総合工学研究所より、間接補助事業者として採択されましたのでお知らせいたします。

本実証事業の目的は、一般電気事業者と連携したディマンドリスポンス(DR)※3システムを構築し、そのシステムを活用したネガワット取引が、電力逼迫時の調整電源として有効に働くかを検証・評価することです。エナリスは、東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東京電力)と連携し、東京電力管内で実証事業を実施します。

1.背景

東日本大震災以降、従来の大規模集中電源に頼った供給システムへの依存度を下げるとともに、急速に普及している再生可能エネルギーを安定的かつ有効に活用していくことが喫緊の課題となっています。これを受けて、今年度、経済産業省は「バーチャルパワープラント構築実証事業」の実施を決定しました。この事業は、バーチャルパワープラントの構築を図る実証事業に加えて、蓄電池等のエネルギーリソースを供給力・調整力として活用するビジネスモデルの構築やネガワット取引の活用を支援し、アグリゲーターの機器制御技術の普及と高度化を図るものです。

エナリスは、昨年度、経済産業省が実施した「ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証」に東京電力・関西電力と連携して参加し、その技術的・制度的課題を検証してきました。本実証事業では、昨年度の知見を活かし、より確度の高いネガワット取引を実現するために、DR実施の対象を蓄電池に絞って検証を行います。

2.事業概要

東京電力が要請する需要抑制量に対して過不足のない需要抑制を達成することを目的に、エナリスがアグリゲーターとして需要家から需要抑制量を集めます。本実証事業では、エナリスの既存顧客において蓄電池を保有する需要家を対象とし、エナリスが蓄電池を遠隔制御して、確度の高いネガワット取引の実現を目指します。

(1)実施体制と役割

東京電力 DR要請者
一般電気事業者としてDRを要請し、実際のDR実績に応じた報酬をアグリゲーターへ支払います。
エナリス アグリゲーター
東京電力からのDR要請に従って、需要家側の蓄電池を遠隔制御して放電させ、DR要請に応えます。需要家には、DR結果を報告し、報酬を支払います。
需要家 DR応答者
エナリスの既存顧客で蓄電池を保有し、かつDR要請時にエナリスが蓄電池の遠隔制御を行うことにあらかじめ同意した需要家が対象となります。DR応答はエナリスによって自動で行われるため(遠隔制御)、DR結果に応じた報酬を受領します。

事業スキーム

(2)実施地域

東京電力管内

(3)実証実施期間

2016年6月28日(交付決定日)~ 2017年2月28日

3.今後の展開

エナリスは、エネルギー情報業の先駆者として、ディマンドリスポンス事業及びネガワット取引市場創設に向けて積極的に取り組んでまいりました。また、これらのエネルギーリソースを活かす仕組みとして、バーチャルパワープラントの構築にも取り組んでおります。

本実証事業を通じて、ネガワット取引の商用化に向けた知見を獲得し、将来的にエネルギーの効率的利用につなげるとともに、需要家にメリットのあるDRサービスを標準的に提供することを目指してまいります。

※「バーチャルパワープラント構築実証事業」に関する詳細は、下記、経済産業省資源エネルギー庁および一般財団法人エネルギー総合工学研究所のホームページよりご覧いただけます。

●経済産業省資源エネルギー庁
平成28年度予算「バーチャルパワープラント構築事業費補助金(バーチャルパワープラント構築実証事業)」に係る補助事業者(執行団体)の公募の結果について

http://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer_result/1603/160308a/

●一般財団法人エネルギー総合工学研究所
平成28年度バーチャルパワープラント構築事業費補助金(バーチャルパワープラント構築実証事業)の公募について

http://www.iae.or.jp/2016/05/19/vpp/

■エナリスについて

エナリスは、「エネルギー情報業」を営む会社です。「エネルギー情報業」とは、電力が流通するプロセスにおいて偏在するエネルギー情報を管理、提供することで、これまでエネルギーを自由に取引できなかった需要家が最適な電源や電力会社の選択を可能にする事業です。エナリスはその先駆者として、新電力の需給管理代行業務などを通じて培った需要予測や気象予報士による発電予測など、エネルギーの流通情報に関する独自の技術と経験を持っています。エナリスは、再生可能エネルギー電源の増加、蓄電池の普及とエネルギーマネジメントシステムの構築により、これまでの電力流通の仕組みを変え、あらたなエネルギーインフラを創ることを目指しています。電力システム改革の将来を見据え、今後もさまざまな取り組みを進めてまいります。

  • ※1バーチャルパワープラントとは、電力グリッド上に散在する再生可能エネルギーや蓄電池等のエネルギー設備、ディマンドリスポンス等の需要側の取組を統合的に制御し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能させるシステム。
  • ※2ネガワット取引は、ディマンドリスポンスの一種。事業者からの要請に応じて需要家が需要を抑制し、その抑制量に応じた対価を事業者が支払うもの。(資源エネルギー庁資料より)
  • ※3ディマンドリスポンス(DR)とは、電力の供給状況に応じてスマートに電力需要(消費パターン)を変化させる取組。(資源エネルギー庁資料より)

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