地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業者に採択
2015年08月06日~ 再生可能エネルギーの導入拡大に向けた基盤づくりのために ~
電気の効率的利用をサポートする株式会社エナリス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:村上憲郎、以下、エナリス)と神奈川県(知事:黒岩祐治)、岩手県一戸町(町長:稲葉暉)、三井住友ファイナンス&リース株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川村嘉則、以下、SMFL)の2社2自治体が共同で進める「再エネ導入量拡大に資するバッテリーマネジメントサービス実証事業(以下、本事業)」は、経済産業省が実施する「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業費補助金」の採択を受けましたのでお知らせします。
本事業は、地産地消型再生可能エネルギーの導入拡大に向けて今後大きな役割を果たすと期待される蓄電池を、バッテリーアグリゲーター※1の関与によって最大限に活用する新たなサービスモデルの効果実証を行うことを目的としたものです。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入以降、太陽光発電が急速に普及しましたが、太陽光発電や風力発電は天候により発電量が左右されるため供給量が不安定であるという弱点があります。それによって生じる系統への負担や小売電気事業者のインバランスコストへの懸念が、再生可能エネルギー導入の足かせとなっていました。
エナリスでは、こうした状況を改善する一つの方法として蓄電池に注目し、特に、需要家側へ蓄電池を設置するサービスモデルについて模索してきました。
蓄電池導入の最大の課題は、導入費用が大きく、投資対効果を得られにくいことにあります。そこで本事業では、バッテリーアグリゲーターが介在することにより、需要側と供給側の両方の状態を把握した蓄電池制御を可能にしました。これにより、ピークカットや昼夜間値差による需要家側の経済的メリットだけでなく、地域間の電力融通による系統の安定や小売電気事業者のインバランスを削減するメリットも期待できます。需要家だけでなく、小売電気事業者、送配電事業者それぞれにメリットを生み、需要家に還元することにより、投資対効果を見込めるサービスとなっています。
今回、「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業費補助金」の採択を受けたことにより、需要家は従来の1/3程度の費用で蓄電池を導入することが可能になります。これを機に、需要家の蓄電池導入を推し進め、サービスモデルの確立に向けた検証を実施してまいります。
エナリスは、再生可能エネルギーが大量に系統接続される未来社会にむけて、新たなエネルギーインフラを創り、電力系統の安定化に資するサービスを構築することを目指しています。需要家側に蓄電池を設置する”バッテリーマネジメント”もその一つです。
エナリスでは、電力システム改革の将来を見据え、今後も様々な取り組みを進めてまいります。
※1 蓄電池を設置する需要家を取りまとめる事業者
【サービス実施概要図】
【「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業費補助金」による補助事業内容】
1.対象 | 下記地域の高圧受電施設 神奈川県(湘南地区を中心としたエリア) 岩手県(一戸町) |
2.設置予定蓄電池規格 | リチウムイオン蓄電池 10kW |
3.概要 | 蓄電池導入後は、バッテリーアグリゲーターのエナリスが、電気の使用状況、供給状況に合わせて、蓄電池の運用を行います。 |
【地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業 公募概要】
http://www.iae.or.jp/2015/03/16/2015scienpj/
■エナリスについて
エナリスは、「エネルギー情報業」を営む会社です。「エネルギー情報業」とは、電力が流通するプロセスにおいて偏在するエネルギー情報を管理、提供することで、これまでエネルギーを自由に取引できなかった需要家が最適な電源や電力会社の選択を可能にする事業です。エナリスはその先駆者として、新電力の需給管理代行業務などを通じて培った需要予測や気象予報士による発電予測など、エネルギーの流通情報に関する独自の技術と経験を持っています。すでに当社が管理する電力規模は約200万kWに達しています。エナリスは、再生可能エネルギー電源の増加、蓄電池の普及とエネルギーマネジメントシステムの構築により、これまでの電力流通の仕組みを変え、あらたなエネルギーインフラを創ることを目指しています。電力システム改革の将来を見据え、今後もさまざまな取り組みを進めてまいります。