東京電力とインセンティブ型ディマンドリスポンスの実証を開始
2013年11月22日この度、株式会社エナリス(本社:東京都足立区 代表取締役社長:池田元英、以下「エナリス」)は、東京電力株式会社(本社:東京都千代田区 代表執行役社長:廣瀬直己、以下「東京電力」)と共同で、経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証事業(「平成 25 年度次世代エネルギー・社会システム実証事業費補助金(次世代エネルギー・社会システム実証事業)」)の公募に提案し、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の審査を経て、エナリスと東京電力の共同提案が採択されました。
■実証事業の概要
エナリスは、2012年に東京電力との間で締結した東京電力ビジネスシナジープロポーサルをはじめとして、順次、関西電力株式会社、九州電力株式会社、北海道電力株式会社、四国電力株式会社との間で、ディマンドリスポンスサービス(以下「DRサービス」(※1))を展開してまいりました。
供給側に応じて需要を変化させるDRサービスは、アメリカをはじめとして諸外国でも数多く実施されており、ピークカットやピークシフトを目的とした料金連動型のDRサービスだけでなく、予備力調達や周波数調整と言う系統運用に欠かせないアンシラリーサービスの分野にも適用が広がっております。
今回の実証事業では、これまでのDRサービスで培ったノウハウを活かしながら、ピーク時供給力調達や予備力調達を目的としたDRサービスを実施し、需給調整による電源代替の経済的な活用可能性や、大規模電源脱落時などの短時間での需給調整が必要な際の活用可能性に関して、調査・評価を行うものです。
具体的には、OpenADR(※2)を用いてDRサービス要請を受け渡しする仕組みを構築して、エネルギーマネジメントシステムを用いた手動制御、自動制御、または蓄電池を有する需要家にDRサービスの要請を依頼する仕組みを提供し、需要家に対して複数回のDRを要請します。
■本実証実験のエナリスにとっての意味合い
これまでのエネルギー政策は、基本的にはエネルギー需要を所与のものとしてエネルギー供給をどのように行うべきかという視点の施策が中心となっていました。しかし、震災以降に電力の需給ひっ迫が顕在化したことをきっかけに、今後の在るべき電力システムが検討されています。
その中の一つの論点として、DRサービスによってエネルギーの消費パターンを変化させることができれば、需給ひっ迫の解消に寄与するとともに非効率な火力発電のたき増し等が不要となることで、中長期的には効率的な電力システムの構築につながると、政府の電力システム改革で議論されています。
エナリスは、需給調整による電源代替の経済的な活用可能性や、短時間での需給調整が必要な際の活用可能性を本実証において検証し、いち早くサービスとしての可能性を検討することで、電力システム改革後の分散型エネルギー社会において需要家に提供する新しいサービスを構築したいと考えております。
エナリスは政府で議論されている電力システム改革を見据え、今後も様々な取り組みを進めてまいります。
※1 ディマンドリスポンス(DR:Demand Response)サービス
卸市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時において、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払いに応じて、需要家側が電力の使用を抑制するように電力消費パターンを変化させること。
※2 OpenADR
広域エリアでの電力需給を最適化し消費電力の抑制を実現する「自動ディマンドリスポンス」における国際標準規格。
インセンティブ型ディマンドリスポンスの実証を開始(518KB)
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社エナリス 企画営業本部 [エネルギーマネジメント営業部:藤井崇史]
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 1907
電話:03-6657-5453