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再エネ発電側アグリゲーションでインバランス抑制に挑戦
「令和4年度再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」に採択

2022年06月02日

株式会社エナリス

エナリス (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:都築実宏、以下、エナリス)はこのたび、経済産業省が実施する「令和4年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」(執行団体:一般社団法人環境共創イニシアチブ)に採択されました。昨年度までの実証事業を継続し、今年度は15社のパートナー企業とともに、再生可能エネルギー(再エネ)アグリゲーション技術の向上と事業性の評価に取り組みます。

再エネアグリゲーションとは、再エネ発電所を束ねて管理することによって計画上の発電量と実際の発電量との過不足(インバランス[1])の解消を行ったり、束ねた再エネを制御して効果的に市場取引することでビジネス機会の更なる拡大を目指す仕組みです。再エネ主力電源化に向けて、天候等に左右されやすい再エネの変動を抑える手段の一つとして期待されています。

エナリスは、2020年度からこの再エネアグリゲーション技術の確立に向けて実証を進めており、今年度で3年目になります。昨年度の実証では、発電量インバランスに効果的なバランシンググループ(BG)組成ロジックを開発し、今年4月より提供開始している再エネアグリゲーションサービスに応用しています。

今年度は、年間を通した検証をテーマに、再エネ発電に関する通年データを活用して発電予測タイミング/BG組成/蓄電池の最適な運用方法について検討を行う他、インバランスコスト・インバランスリスクを算出して収益性の評価を実施します。

エナリスは、こうした発電側の再エネアグリゲーションと、既にサービス提供している需要側の分散型エネルギーリソース(DER)アグリゲーションを連携して需給バランスをとる「需給一体調整」を目指しています。
今年度は、実サービス化に必要なシステム連携の確立と需給一体調整実現のための課題・懸念事項の整理等を独自実証として実施します。

▲需給一体調整イメージ

エナリスはKDDIグループとして、再エネアグリゲーションへの取り組みを通じ、カーボンニュートラルの実現に貢献する新しい電力システムの構築を目指します。

以上

■実施体制図(16社)

■本実証の概要

事業名

再エネ主力電源化に向けたDER活用電力システム構築実証事業

実証期間

交付決定日~2023年2月21日(予定)

コンソーシアムリーダー

株式会社エナリス

再エネアグリゲーター

株式会社エナリス、東邦ガス株式会社、三菱HCキャピタルエナジー株式会社、自然電力株式会社

実証協力者

戸田建設株式会社、JREオペレーションズ株式会社、株式会社レノバ、会津電力株式会社、電源開発株式会社(Jパワー)、東急不動産株式会社、シェルジャパン株式会社、ハンファQセルズジャパン株式会社、東芝三菱電機産業システム株式会社、SMFLみらいパートナーズ株式会社、損害保険ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社

実証エリア

東北エリア、東京エリア、中部エリア、関西エリア、九州エリアを中心とした全エリアを対象

実証設備

太陽光発電所(野立て、屋根置き)、風力発電所  /約670MW

産業用蓄電システム・EV  /800kW

実証内容

【共通】インバランス回避実証:

■ 発電量予測タイミング(通年でのFIP収益性・インバランス評価)

■ BG組成の検証(FY21開発のBG組成ロジックの更なる発展)

■ 蓄電池によるインバランス回避(制御ロジック改善、最適容量比検証)

【共通】市場取引での収益拡大に向けた検証

■ 収益性改善に向けた取り組み(制御ロジック改善、最適容量比検証)

【共通】再エネ発電量予測技術実証:

■ 再エネ発電予測技術改善(野立てPV、風力、住宅用PV)

■ アンサンブル気象予報導入による予測精度検証等

【独自】需給一体調整に関する検証:

■ 発電側及び小売側システム連携による最適な運用ロジックの検討等

【独自】インバランスリスクに対するリスクファイナンシングの検討:

■ 再エネアグリ事業のリスク整理、保険を含むリスクファイナンシング手法の検討等

【独自】事業性シミュレーターの検討

■ 再エネアグリの蓄電池の経済性を試算するシステム検討・構築

[1] インバランス:発電量実績値の計画値から外れた分、ペナルティ(インバランス料金)を払う必要がある