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令和3年度蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業の成果を報告

2022年04月04日

~需給一体調整に向けた2つの実証事業(初年度)を完了~

株式会社エナリス

株式会社エナリス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:都築実宏、以下、エナリス)は、経済産業省が実施する令和3年度蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業のうち、「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」並びに「分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」にコンソーシアムリーダーとして参画し、このたび成果を報告しました。

再生可能エネルギー主力電源化のためには、太陽光発電や風力発電などの自然変動電源の発電量予測の高精度化と、VPP技術などを使って発生した予測誤差を解消する仕組みが必要です。このように、発電側で再生可能エネルギーの需給バランスを管理することを「再生可能エネルギーアグリゲーション」と言います。また、天候の急変や発電所トラブルなどにより電力が逼迫したときに、家庭用蓄電池などの分散型電源(DER)を一斉制御することなどにより電力の消費を調整し、需給バランスの確保に貢献することを「DERアグリゲーション」と言います。各アグリゲーションを担う事業者は「アグリゲーター(※1)」と呼ばれ、今後の再エネ主力電源化において、その役割は非常に重要であると考えられています。

令和3年度の各実証事業では、各パートナー企業とともにさまざまな角度から検証を行い、今後の実用化に向けて有意義な成果を獲得しました。「分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業」では、今後拡大が見込まれる家庭用蓄電池を中心とした低圧リソース最大7,663台を制御し、低圧リソースのみでの需給調整市場 (※2) 参入要件をクリアしました。また、「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」では、再生可能エネルギーのインバランス (※3) を効果的に回避するバランシンググループ組成手法を開発するなど、今後のサービス提供につながる成果を得ることができました。

エナリスでは、さらに安定かつ効率的に電力を確保・供給するためには、発電側・需要側それぞれのアグリゲーション技術を連携し、サプライチェーン全体で需給バランスを取る「需給一体調整」が必要だと考えています。引き続き、パートナー企業と協力しながら実証の成果をさらに進化させ、再生可能エネルギー主力電源化、脱炭素社会の実現に貢献する新しい電力システムの構築に挑戦します。


(※1) アグリゲーター…電力会社と需要家の間に立ち、需要家側エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを統合制御し、VPPやDRからエネルギーサービスを提供する事業者

(※2) 需給調整市場…発電量と使用量を同量にする調整を行い、周波数を維持する役割を一般送配電事業者が担っており、この需給調整力を取引する市場のこと。2021年4月開設

(※3) インバランス…新電力が計画と実績の同時同量を達成できずに供給する電力の過不足が発生した場合、その調整のための対価として支払わなければならない料金のこと