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活動報告

“コメとカンパイ”で電力を見える化、10月5日大和川酒造店さまのイベントに出展

2024年10月28日

東京から東北新幹線で70分ほどの福島県郡山駅で下車し、ローカル線を乗り継いでたどり着いたのは喜多方駅。
あの「喜多方ラーメン」で有名な福島県喜多方市の中心地です。昔から自然が豊かで、水や米などの食材にも恵まれた地域として知られています。
この町で10月5日(土)に開催される“あるイベント”にエナリスも参加するということで、取材してきました!

“地のエネルギー”にこだわる大和川酒造店さまとは実証事業からのご縁

喜多方駅からはタクシーに乗車。町の景色を見ながら、「東京に比べると三角屋根が多いですね。雪が降るからですか?」「そうですね。でも、去年は降雪量が少なかったんですよ~」なんていう話を運転手さんとするうちに、あっという間に到着したのは「大和川酒蔵北方風土館」。

▲大和川酒蔵北方風土館でイベントは開催

見るからに「酒蔵」とわかるこの建物を所有するのは、寛政2年(1790)創業の老舗酒造店、大和川酒造店さま。“地の米、地の水、地の技術”の三本柱に加え、昨今は“地のエネルギー”という四本柱にこだわりながら代々酒造りに取り組んできている造り酒屋さんです。
 “地のエネルギー”とは地元で生まれたエネルギーのこと。考え始めたきっかけは東日本大震災だそうで、大和川酒造店さまの現会長が中心になって会津電力という新電力まで立ち上げられました。大和川酒蔵北方風土館から数キロの場所には飯豊蔵太陽光発電所(酒蔵の上に太陽光発電を設置)も保有されています。

そんな大和川酒造店さまとエナリスは、2019年に福島県内で行った、“電気の地産地消”などをブロックチェーンプラットフォーム上で行う実証事業(※1)でご一緒したことをきっかけにお付き合いがスタート。その後は、“再エネ使用実績データ”のNFT化(※2)のほか、太陽光パネルの積雪影響による発電量予測モデルの検討に関する実証事業(※3)などにもご協力いただきました。そんなご縁の大和川酒造店さまが主催するイベントに、このたびは出展・参加させていただくことになりました。

※1:電力取引基盤となるエナリスブロックチェーンプラットフォームを開発(2019年11月15日プレスリリース)
※2:日本初!ブロックチェーン上の“再エネ使用実績データ”をNFT化 ~福島県の酒蔵と実証事業を実施~(2022年8月23日プレスリリース)
会津の地でエネルギーの地産地消に挑む~NFT実証事業パートナー 大和川酒造店店さま~
※3:令和5年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業

蔵開きを地域の方と祝うイベント

大和川酒造店さまが主催するイベントとは何なのか??
秋が本格化する10月は、大和川酒造店さまにとって蔵開きが始まる季節。そこで、1年に一度この時期に、喜多方の自然に文化が生んだよろこびを地域の方と楽しもうと、地元の食材や大和川酒造店さまが所有するファームで作ったお米を使った料理やお酒を地域の方が体験できるイベントを開催しているそうです。
イベント名は「コメとカンパイ」。「お酒とカンパイ」ではないんです。だから、子どもから大人まで楽しめるイベントなんです。

イベント会場は人、人、人で大賑わい。地域の食材とお米を使ったパエリア、米粉麺、米粉から揚げ、カレー、豚汁、フルーツなどなど、見ているだけでもお腹が鳴ります。もちろん大和川酒造店さまが四本柱にこだわって作った日本酒も楽しめました。さらには地域のフルーツで作ったジュースなどのノンアルコールドリンクも。フルーツと大和川酒造店さまのつながりは何かと思ったら、一緒にリキュールを作っているそうです。なるほど~
出展するすべてのブースが、大和川酒造店さまと何かしらコラボレーションされているようです。

再エネで電力をまかない、その分を“見える化”

さてさて、そんな食のイベントでエナリスが何のブースを出展したのかと言いますと、もちろん“電力”です!

エナリスは、大和川酒造店が所有する飯豊蔵太陽光発電所でつくられた再生可能エネルギーをあらかじめ蓄電した「蓄電池」を会場に搬入。お隣で出展された方のブースで使った電力量とエナリスのブースで使った電力量(パソコンなど)を賄いました。そして、1時間ごとに電力使用量(=再エネ電力でまかなった量)を棒グラフにしてモニターに表示。再エネ電力使用量の見える化を試みました。
来場者の方に、「大和川酒造店さまの再エネを使っています~」と説明して、再エネを蓄電池に貯めて24時間活用できることや電力の見える化について知っていただく機会となりました。

エナリスは東日本大震災直後から電力の見える化にいち早く取り組んできましたが、実際に1時間ごとに再エネ電力使用量が変わっていくのを見て、あらためて「再エネを使っているんだ」と実感し、人の行動と電力の動きが連動していることを体験する貴重な機会となりました。

参加したみらい研究所 本多宏行コメント

「地の米、地の水、地のエネルギーによるお酒造りを進められる大和川酒造店さまの、コンテストで金賞も取られたこともあるただでさえおいしいお酒に、当社の技術を通じた更なる付加価値を提供するお手伝いが少しでも出来たかと思っています。今回まずは、イベントで使用される電力の一部の再生可能エネルギー利用とその見える化でしたが、大和川酒造店の佐藤雅一社長とは、来年以降も予定されているイベントで、より多くの電力を再生可能エネルギーで賄ったり、より斬新な見せ方も工夫したりしたいというお話もさせていただきました。環境価値の更なる活用に向けて引き続き検討していきたいと思います。」

▲1時間ごとに再エネで賄った電力使用量を表示しました

再エネ主力電源化には、技術だけでなく泥臭い努力と工夫が!

ところで、昨年は降雪量が少なかったものの、平年は雪が多い喜多方エリア。太陽光の設置にも工夫がいっぱいあるようです。

飯豊蔵太陽光発電所をはじめ、県内の太陽光発電設備の普及に取り組まれている会津電力さまからは、地面設置型の太陽光パネルについて興味深いお話をお聞きしました。太陽光パネルは、雪がパネルに積もったままだと晴れても発電しませんが、地面設置型で架台の上に太陽光パネルを設置した場合、パネルから雪が落ちても、その雪が架台の高さ以上に積もってパネルまで到達してしまうとパネルと接触する時間が長くなり、パネルが傷んでしまうそうです。ということで、雪がはけやすいパネルの”傾斜角度”や太陽光パネルを設置する“架台の高さ”などに研究を重ねられたとか。再エネ主力電源化に向けては、技術はもちろんですが、たくさんの方の努力と工夫と経験があってこそだと、また自然と上手に共存することも重要だということを改めて認識しました。

こうした貴重なお話や出会いも、イベントにお誘いいただいたおかげです。
本当にありがとうございました!

写真はすべて©ENERES
文責 エナリス広報部

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