業界を超えて連携し、社会で活用されるサービスを目指して~JEMAでの取り組みを表彰いただきました~
2023年10月24日「牛乳パックはどのメーカーでもほとんどサイズが同じなのはなぜですか?」
こんな素朴な質問に答えているホームページを見つけました。
運搬に便利だから、というのが始まりのようです。
各メーカーが連携して牛乳パックのサイズをそろえてくれたから、滞りなく効率的に牛乳はスーパーに運ばれ、私たち消費者は毎日、牛乳を買うことができるのかもしれません。
オリジナリティを出しつつも社会に受け入れていただくために大事なこと
ビジネスにおいて、ユニークでオリジナリティがあることは大切です。
一方で、お客さまに活用いただき、役立つためには、社会に溶け込む仕様であり規格であることも大切で、そのためには同じ業界はもちろん、業界を超えて連携することが必要です。
牛乳パックに限らず、それはエネルギー業界でも同じだと思います。
例えば、エナリスが推進するVPP(バーチャルパワープラント)ビジネス。
社会に点在する蓄電池などの分散型電源をIoTで制御してまとまった電源として活用しようという取り組みですが、ここに5G+MEC[※1]による高速フィードバック制御技術やブロックチェーン技術も加えるなどして、エナリスは制御技術にオリジナリティを出しています。
一方で、エナリスがどんなにオリジナリティを大切にしていても、メーカーがつくる蓄電池の仕様に合っていなければ、技術を活用できる場面もありません。
だからこそ、エナリスは、同じ業界の方はもちろん、業界を超えた連携を大切にしていきたいと思っています。
※1 : 「5G」は5th Generation」の略。「第5世代」のことを指す次世代の通信規格。
「MEC」はMulti-Access Edge Computing の略。サーバーを端末の近くに分散配置し、お客さまの近くでデータ処理を行うことで低遅延な通信を提供する技術。
JEMA(日本電機工業会)のワーキンググループで表彰いただきました
JEMAって何?
JEMA(日本電機工業会) は、発電設備や送電設備などの電力インフラ機器から産業用機器、家電製品まで、幅広い電機産業に関わる企業・団体から構成される業界団体です。「日本の電機産業の国際競争力を強化し」「社会・生活インフラの改善と向上を図り」「持続可能な世界の進展に貢献する」というJEMAビジョンのもと、会員たちがさまざまな活動に取り組んでいます。そうした活動の一つが、多様なテーマで議論や検討を行うワーキンググループ(WG)です。
エナリスが参加したワーキンググループのテーマ
エナリスは、17社33名が参加している「周波数調整のための需要家機器制御仕様の標準化」というテーマのWGに、2023年6月から参加してきました。
VPPで活用する分散型電源ごとに規格が異なったり、制御する技術が多様であったりするよりは、共通の規格や制御ロジックがあったほうが普及を後押しすることができます。このWGでは、「分散型電源の規格はこんなふうにしていこう」とか「こういう機能も実装していこう」と、分散型電源をより制御しやすい環境をつくるために、“仕様の標準化”を目指して議論をしてきました。
分散型電源を活用する場に需給調整市場がありますが、実ビジネスを見据えて市場要件や課題の整理を行い、分散型電源を制御するための通信仕様の策定などに取り組んできました。エナリスは、「こういう機能があると制御しやすいですよ」など、アグリゲーターの立場から意見を出させていただきました。
エナリスはなぜ参加?
エナリスは、経済産業省がVPP実証事業を立ち上げた初年度となる2016年度からVPPに携わっており、こうした当社の実績を評価いただき、WGよりお声がけいただきました。
WGに参加した当社みらい研究所の不破茂秀は、「お声がけいただいたからには、VPPの発展や業界のお役に立つことが責務と感じました。VPPビジネスがどうすれば社会に広がっていくのかということを念頭に、忌憚なくご意見を述べさせていただき、知見をシェアさせていただきました」と振り返っています。
そしてこのたび、ワーキンググループが表彰されました
関係各社の皆さまと取り組んできた「制御仕様の標準化」に向けた成果が評価され、JEMAが毎年開催している電機工業技術功績者表彰の委員会活動優秀賞2件の内の1件に選ばれました。
エナリスはこれからも業界を超えたパートナーと連携し、人とエネルギーの新しい関係を創造し、豊かな未来社会を実現してまいります。
写真はすべて©ENERES
文責 エナリス広報部