PICK UPエナリスブログ
エナリスがつくる未来

KDDI SUMMIT 2023

2023年03月08日

2023年2月21・22日の2日間にわたって「KDDI SUMMIT 2023」が開催されました。エナリスがKDDIグループの一員になったのは、2018年12月のこと。あれから約4年が経ちます。
普段の業務の中でKDDIグループであることを意識することは正直あまりありませんが、今回のKDDI SUMMITを視聴して、改めてKDDIグループは何を目指し、その中で私たちエエナリスは何をしていくべきかを考えさせられました。
視聴した人たちそれぞれに感じること、考えることがあったと思いますが、今日はエナリス広報部員が感じたことを、そのまま素直にお伝えしたいと思います。

“通信”と“電力”

エナリスは、「新電力」「小売電気事業者」として紹介されることが多くあります。わかりやすく当社のことを説明するために、自ら「新電力」と名乗ることもあります。確かに、売上げ規模で言うなら、小売電気事業はそれなりのボリュームを占めていますが、実はそれはエナリスの事業領域の中のほんの一部にすぎません(と私は思っています)。エナリスが扱っているのは、送配電事業者のように物質的な電力そのものではなく“電力情報”。電力をどれくらい発電するか、どれくらい必要とするか、誰がいつどれくらいの電力を使ったか、その電力は環境に良いものか・・・。そんな電力情報を、電力サプライチェーンの全体から集め、集めた情報を元にあらゆる電力サービスを提供すること、それがエナリスの事業の本質です。
そう考えると、KDDIが中核に据える通信技術“5G”が電力領域にも浸透することは、複雑化し肥大化することが必然である電力情報流通網の進化には不可欠ですし、その流通網を使えば、電力情報を使って提供できるサービスの幅はもっと広がっていくに違いありません。改めて、通信と電力の親和性の高さを感じ、KDDIグループの基盤の中で電力情報を扱う事業を展開していくことに可能性とワクワクを感じたのでした。

“DAO”から“DACO”へ

“DAO”って聞いたことありますか?私は今回のサミットの中ではじめて聞いた言葉ですが、従来のようなリーダーが意思決定するような中央集中型の組織とは異なり、意思決定者や管理者がいなくても、参加するメンバーの意思決定によって事業やプロジェクトが進んでいく“分散型自立組織(Decentralized Autonomous Organization)”のことを言うのだそうです。これから、インターネット技術がさらに進化する中で盛り上がる組織形態として注目されているのだとか。
そんな“DAO”ですが、ただ自立分散してバラバラの目的で動いていたのでは良い相乗効果を生み出して、個で生み出す以上の成果を得ることは難しいですよね。サミットに登壇された一橋大学の名和高司教授によると、分散して自立した組織を共通する“パーパス”でつなげた“DACO(Decentralized Autonomous ,but Connected Organization)”こそが重要なのだとお話しされていました。
なんでも電力の世界に結び付けて考えてしまうのが、電力に携わる社員の性。DACOの話を聞いて最初に思ったのは、“電力も同じ!”ということ。今、電力業界は再生可能エネルギー主力電源化に向けて動き出していますが、それは同時に、従来のような大型の集中型電源(原子力発電所など)に頼った電力供給システムから、再生可能エネルギーなどの分散型電源を中心とする形にシフトしていくということです。ただし、どんなに電源が分散したとしても、重要な社会インフラである電力は、“安定供給”というパーパスでつなげなければ空中分解してしまいます。分散型エネルギー社会になったときに、“安定供給”というパーパスを軸にして、分散電源を集めてつなげていく“Connected”の役割を果たすのが“アグリゲーター”なのかも・・・やっぱりアグリゲーターは重要だな・・・そんなふうに考えたのでした。

“サステナビリティ” と“パーパス経営”

今、多くの企業が“サステナビリティ活動”に力を入れています。KDDIグループも、その一員であるエナリスももちろん積極的に取り組んでいます。企業の“サステナビリティ活動”と聞くと「社会に対して良いことをしてアピールしたいんでしょ」「キレイごとでしょ」と捉える人もいるかもしれません。結果的に社会にとって良いことになっていることが多いですが、根本は、「みんながハッピーに末永く暮らせる社会をつくるために自社の事業活動を通してできることはないか考え、挑戦すること」なんだと思います。目線を外と未来に向けたこの挑戦が、企業や社会の成長につながっていくのだと思います。こんなふうに考えてみたら、“サステナビリティ”という言葉にワクワクを感じませんか?“サステナビリティ”は、数ある企業や社会をつなぐ究極の“パーパス”なんだと思います。
そして、各企業が、サステナビリティからブレイクダウンした自分たちのパーパスをもって経営していくこと、それこそが前述の名和教授が仰る“パーパス経営”なのかもしれません。
では、エナリスにとっての“パーパス”は何でしょうか。KDDIとエナリスをつなぐパーパスは“カーボンニュートラル”です。通信も電力も、事業の中でCO2を多く排出しますから。この“カーボンニュートラル”というパーパスを達成するために、分散型エネルギー社会(再エネ主力電源化)と電力の安定供給を両立させる電力情報流通網を築き上げることがエナリスの役割なんだと、改めて強く思うのでした。

「KDDI SUMMIT 2023」は、自分たちの存在意義やサステナビリティ活動について改めてじっくりと考える機会になりました。と同時に、「5Gやさらにその先の通信を見据えた強力なパートナーがいるエナリスが、電力情報を使って今以上にサステナブルな活動を展開できる日は近い!」、そう感じた2日間でした。

▲サミット最初の講演に、KDDIの高橋社長が登壇
▲KDDIの新中期経営戦略の事業戦略の中核には“5G通信”が。
▲“カーボンニュートラルの実現”に取り組むことについてもお話しされました。
▲KDDI VISION 2030
▲パーパス経営の重要性についてお話しされた、一橋大学の名和高司教授。
▲KDDIのサテライトグロース戦略の一つに位置する“エネルギー”。auエネルギーホールディングスの中桐巧一朗代表取締役社長は2日目に登壇。
▲エナリスの都築実宏社長も登壇し、GXに向けた当社の具体的な取り組みやサービスを講演しました。

取材・文責 エナリス広報部

エナリスジャーナル