「ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証」事業者に採択
2015年04月20日エネルギー情報業を手がける株式会社エナリス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:村上憲郎 以下、エナリス)は、経済産業省の「平成26年度次世代エネルギー技術実証事業(補正予算に係るもの)」の一つである「エネルギーマネジメントシステムの構築に係る実証事業/ネガワット取引(※1)に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証」に一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の審査を経て採択されましたのでお知らせ致します。なお、エナリスが展開する実証エリアは、東京電力管内と関西電力管内となります。
「次世代エネルギー技術実証事業」とは、スマートコミュニティ構築に向けて経済産業省が主導する実証事業で、スマートコミュニティの実現に役立つ技術やアイデアを活用し、技術的・制度的課題を検証・解決するために行われるものです。
■実証事業の概要
今回、エナリスが採択を受けた「エネルギーマネジメントシステムの構築に係る実証事業/ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証」事業の目的は、ネガワット取引を商用で活用できる環境が整いつつある状況を踏まえ、現在進行中の電力システム改革の進捗に合わせて適切な時期に速やかにネガワット取引の定着を図るべく、供給状況に応じて需要を変化させるディマンドリスポンス(※2)が、ネガワット取引を想定したピーク時供給力調達や運転予備力調達、周波数調整等を目的とした際に、調達手段として発電機と互角に対応できるか、その有効性に関して調査・評価を行うものです。
エナリスは、平成27年7月末までに東京電力株式会社および関西電力株式会社の2つの電力管内で、高圧小口契約の既存顧客を中心に需要家の募集を行い、ディマンドリスポンス(DR)容量を獲得します。実験の実施期間は、平成27年8月~平成28年1月の6か月間で、各電力会社からのDR発動予告ごとに、業態や営業時間、節電実績等によって、どの需要家に、どれくらいの発動予告を行うべきかを効率的に振り分けしDRを発動します。DRの要請に応じ、DRを実行した需要家には、電力削減量に応じて報酬が支払われることになります(=ネガワット取引)。
■本実証事業のエナリスにとっての意味合い
エナリスは、エネルギー情報業の先駆者として、震災以降に電力の需給ひっ迫が顕在化したことをきっかけに政府で議論されている電力システム改革を見据え、ディマンドリスポンス事業及びネガワット取引市場創設に向けて積極的に取り組んでまいりました。本実証事業でネガワット取引の商用化に向けた知見を構築し、将来的に、エネルギーの効率的利用につながり、かつ需要家のメリットとなるDRサービスを標準的に提供することを目指してまいります。
(※1)ネガワット取引とは、電力不足が想定される場合に、電力会社の求めに応じ て、需要家が電力使用を控え、その削減量(=ネガワット)を電力会社が買い取る 制度のこと。
(※2)ディマンドリスポンス(DR)とは、エネルギーの供給状況に応じて、需要側が消費パターンを変化させることで、電力の需給バランスをとること。
【事業スキーム】
■エナリスについて
エナリスは、「エネルギー情報業」を営む会社です。「エネルギー情報業」とは、電力が流通するプロセスにおいて偏在するエネルギー情報を管理、提供することで、これまでエネルギーを自由に取引できなかった需要家が最適な電源や電力会社の選択を可能にする事業です。エナリスはその先駆者として、新電力の需給管理代行業務などを通じて培った需要予測や気象予報士による発電予測など、エネルギーの流通情報に関する独自の技術と経験を持っています。すでに当社が管理する電力規模は約200万kWに達しています。エナリスは、再生可能エネルギー電源の増加、蓄電池の普及とエネルギーマネジメントシステムの構築により、これまでの電力流通の仕組みを変え、あらたなエネルギーインフラを創ることを目指しています。電力システム改革の将来を見据え、今後もさまざまな取り組みを進めてまいります。