エナリスが二十歳になりました!
2024年12月24日2004年12月24日、エナリスは北千住で誕生しました。
あれから20年…。今では拠点をお茶の水に移し、社員も250名を超えるまでに成長し、本日めでたく20歳の誕生日を迎えることができました。
私がエナリスに来たのは2014年のこと。エナリス存続の危機ともいえる、エナリスショックが起こった直後のことでした。エナリスのすべてを知っているわけではありませんが、聞いた話を織り交ぜながら、ちょっとエナリスのたどった歴史を振り返ってみたいと思います。
2004年12月にエナリス創業。創業当時の想いは、「電気を自由に選べる社会にしたい!」。その当時、一部電力自由化ははじまっていたものの、需給管理業務が参入ハードルとなり、新電力はほとんどない状態。お水を選ぶときに、産地や値段、成分などで選べるように、電気もそれぞれの価値に合ったものを選べるようにしたい、そんな想いをもって創業したそうです。
2007年には、創業事業である需給管理業務代行を開始。新電力の立ち上げを裏側でサポートしました。その後、新電力向けの電源卸事業も開始し、新電力業務サポートのパイオニア的存在として成長を遂げました。
大きな転機となったのは2011年の東日本大震災。新電力の売り物である電気が足りない状況になったことから、当時の社会課題となっていた“節電”を支援するサービスを提供することに。それが、「FALCON SYSTEM」です。節電要請に四苦八苦する企業を支援するため、電力使用量の見える化だけでなく、節電ラインを超えそうなことを予測して事前にアラートでお知らせする機能や、複数拠点の電力使用量をまとめて管理できる機能を提供しました。当時、同じような機能をもつエネルギーマネジメントシステムはなかったことから、非常に企業の方々に重宝されたと聞いています。
FALCON SYSTEMをきっかけに企業向けのサービスを拡大。エナリス・パワー・マーケティングという子会社をつくって、電気の小売事業も開始しました。社員も増え、北千住からお茶の水に事務所も移転し、上場もして「さあこれから!」という時に発覚した不適切な会計処理。エナリスを応援してくださっていたたくさんの株主の方にご迷惑をおかけする事態となりました。私が入社したのはちょうどこの頃…。毎日、株主の方からお怒りや悲痛な叫びのお電話をいただいていたことは忘れることができません。
もちろん、せっかく上場した株式は「特設注意市場銘柄」という執行猶予つきの銘柄に指定され、2年以内に内部管理体制を立て直すように!という東証からの監視下に置かれたのでした。それからの2年間は、ひたすらに自らの経営や事業を見直した期間でした。こうしてエナリスが20周年を迎えることができたのも、この苦しい時期にエナリス立て直しにあたっていただいた経営層の方々(不祥事によって経営層は一新されました)、外部からご支援いただいた方々、お客さまに頭を下げながら辛抱強く耐えた従業員の皆さんの志と忍耐があってのことだなと、改めて思います。誰か一人が抜けても、きっとあの難局は乗り越えられなかっただろうと思います。お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。
荒波にもまれ、ともすると小さくまとまってしまいそうなエナリスを救ってくれたのが、KDDIとJパワーです。2016年にKDDIと資本提携を結び、その後、2018年にはKDDIとJパワーのTOBを受けて現在の2社株主体制になりました。
エナリスの資本にKDDIやJパワーが入った当時、エナリスのベンチャーらしさやパイオニアスピリットがなくなることを危惧する声もありました。そんな声を知ってか知らずか、KDDIから出向でエナリスの社長に着任された小林前社長の提案により、1年以上の歳月をかけて従業員の手で企業理念を策定。まさに、“従業員の、従業員による、従業員のための企業理念”が生まれたのでした。企業理念のIdentityに掲げられている「“当たり前”を変革する」には、需給管理業務代行事業をはじめ、あらゆる新しいサービスを創り出してきたこれまでのDNAを忘れない!という意思が込められています。
では、今のエナリスはと言いますと…。
「まるでクラブ活動のようだった」と言われる北千住時代のエナリスを知っている人からすると、ちょっと今のエナリスは物足りない!という人もいるかもしれませんが、私は、安定した資本力をもつ大企業っぽい気質とベンチャー精神が混ざり合った絶妙な会社だなと思います。
これまで培ってきた技術基盤に、IoTやAI、ブロックチェーンなどの最先端の技術を掛け合わせ、今も新しい技術やサービスの開発に挑戦し続けています。
これからエナリスはどんな歴史を刻んでいくのか・・・。このブログを書いていたら、感謝と希望が湧いてきて、私自身がなんだかワクワクしてきました! どうぞ皆さんもこれからのエナリスにご期待ください!
11月末に、エナリスショック後のエナリス立て直しにご尽力いただいた方々をお招きして謝恩パーティを開催しました。
写真はすべて©ENERES
文責 エナリス広報部