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再エネをもっと社会へ! 再エネ開発に挑む”燃える“人々

2024年02月29日

敷地に並べられた大きな太陽光パネル、真ん中に集まる人々、撮影するのはドローン…。

再エネ開発を目的に2023年1月に設立されたauリニューアブルエナジ―(auRE)は2023年12月、太陽光発電所第1号の商業運転を開始しました。写真は発電所のようすです。

再エネ発電所開発で感じたことを聞ければと、auREの鈴木吾朗社長(以下、鈴木社長)と天野圭取締役(以下、天野取締役)にインタビューしてきました。

▲写真はauREご提供

地域との交流を大事にしながら最初の発電所を開発

KDDIは“サテライトグロース戦略”を推進しています。通信を基軸とする複数の分野に事業を拡げて成長していくというものです。その分野の一つがエネルギーです。

鈴木社長 「社会のインフラを担い、社会性が高い点で、エネルギーと通信の親和性は高いですからね。また、通信事業はエネルギーと大きくかかわります。24時間365日電気を使う通信会社は、日本で有数の大口電力需要家で、KDDIもその1社です。AIなどが生活の中に浸透してくれば、データ使用量はさらに拡大するとみられています。“省エネ”と“創エネ”を両立させていくことが大切です。」

▲鈴木吾朗auRE代表取締役社長 ©ENERES

こうした背景もあって、KDDIグループのカーボンニュートラルと事業成長に貢献するために、再エネ発電を担う会社としてauREが設立されました。

最初に開発されたのが写真の太陽光発電所。2023年12月に埼玉県熊谷市に建設されました。敷地は約7,700平米で、年間103万kWh(240世帯相当が1年で使う電力量)を発電するとか。つくった電気は下図のようなプロセスで関東エリアのKDDI基地局で使用されます。発電量予測と計画値の提出、需給管理といった業務はエナリスが代行しています。

鈴木社長 「再エネ開発事業は、開発して終わりではありません。自分たちの力だけでは間違いなく無理で、グループのシナジーがうまく活かせていると思っています。」

連携しているとはいえ、auREはゼロから立ち上げた会社。驚いたのは、auREは社員数が30人弱だそうで、大部分はKDDIグループからの出向者ということ。

天野取締役 「通信事業で向き合っていた『ギガバイト』という単位が、電気事業では『キロワット』になるなど、新しいことばかり。エナリスなど電力に詳しい方から多くを学びました。」

天野圭取締役 ©ENERES

一方、通信業界と電力業界は「基地局」や「発電所」などものをつくるという点では同じような気もします。発電所を開発する上では電力以外にどんな知識が必要なのでしょう?

天野取締役 「第1号案件の写真を見ると空きスペースが多いかと思います。実は、土地の下に埋蔵文化財が埋まっている可能性があるため、パネル設置を避けた場所です。電力だけでなく、土地や不動産の知識も必要と学びました。」

不動産知識に加え、そこで暮らす方々との交流も大事にしたそうです。

天野取締役 「地域とのつながりは本当に重要ですね。再エネ開発は、地域の大切な土地の上に成り立つものですから、近隣の方に納得いただいて進めることが大前提です。時に草刈りなどをしながら、地域の方と関係を作っていきます。交流機会をこれからもっとつくっていきたいと思っています。」

こうして始まった発電所の開発。完工まで2年かかったといいます。

鈴木社長 「ゼロベースで組織を立ち上げ、設立前から2年以上かけて発電所をつくったことで、これからも腰を据えて取り組みたいと思っています。KDDIでは「先読み」といって、2年、3年先を見て事業をしようという考え方があるのですが、今、この考え方の大切さを実感しています。」

社会のインフラ、「おじさんなりに燃えています!」

ところで、auREのホームページには「パーパス」が掲載されています。

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Purpose

再生可能エネルギーで、

“自然”と“地域社会”をつなぎ、

地球と人が、ともに豊かに暮らせる未来へ。

再生可能エネルギーを、未来につながるエネルギーに。

https://www.kddi-re.com/policy/

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鈴木社長 「auRE発足にあたって最初に着手したことは、よりどころとなる会社のパーパスを作ることでした。その際、一番若手の社員が『再エネ開発は自分の子どもが残る地球にいい環境を作れる事業。夢がありますよね』と言ったのです。いいこと言うなあと思い、パーパスに込めました。また、太陽光発電は、地域の方の理解なしでは成り立たない、地域の方を大切にしたいという思いもパーパスに込めています。」

設立から1年、実際に事業が動き出した今は、開発プロセスにも目を向けた環境・社会活動にも力を入れようとされているそうです。

天野取締役 「今後、開発のために伐採した分の木を植えていく植樹活動などにも力を入れていきたいと思っています。地域の方の理解を得るための説明会や交流も引き続き大切にしていきます。」

次の発電所開発に向けても動き出されているそうです。楽しそうに笑顔でいきいきとお話くださるお二人。モチベーションはどこから来るのでしょう?

天野取締役 「世の中や人の役に立っていると思えるところだと思います。再エネ推進はカーボンニュートラルや環境保全につながりますし、エネルギーを化石由来から再エネにシフトしないと、企業はお客様から選ばれなくなってきます。ここに携われるのはモチベーションにもつながります。」

鈴木社長 「資源がない日本にとって、再生可能エネルギーは最も考えないといけないテーマだと思っています。そんなエネルギー事業のど真ん中にいるわけですから、社員のモチベーションは高いですよ。事業面でも社会的にも成長できますし、もっと誇っていいと思っています。組織も小さいので、どの“パーツ”が外れても動きが止まってしまう。おじさんが多い組織ですが、おじさんなりに燃えています!(笑)」

©ENERES
©ENERES

社会に必要とされること、役に立てていることを毎日実感できることが、笑顔とバイタリティの秘訣のようです。

インタビューにご協力いただきました鈴木社長、天野取締役、ありがとうございました!

底抜けに明るいauREの皆さんと、今後もエネルギーで明るい未来を作っていけたらと、心から思いました。

文責 エナリス広報部

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